誰でも障害当事者になる。

"みなさん、「障害当事者」というと、どんなイメージを持っていますか?
生まれつき目が見えない人?手足が不自由な人?職場の事故で身体に障害を抱えた人?"

実は、「障害」にはたくさんの種類があるんです。大きく分けると「身体障害・療育(知的能力)障害・精神障害」があり、その中にもさまざまな種類があります。

例えば、片手や片腕が不自由な人、片脚が不自由な人、臓器に障害がある人、先天性に脳組織に障害を持って生まれた人、大人になってから精神障害を持つことになった人など、実に多様です

でも、意外と知られていないのが、生まれつき障害を抱える人の割合。実は100人中3〜5人程度なんです。つまり、多くの人は生まれてから障害を抱えることになるんですね。

突然、当事者になるかもしれない

例えば、こんな話を聞いたことはありませんか?

隣の家の元気な旦那さんが、ある日突然姿を消した。半年後、電動車いすに乗って戻ってきたんです。実は、会社で脳梗塞で倒れ、右半身不随になってしまったそうです。

これって、誰にでも起こりうることなんです。事故で車いす生活になった陸上部の女の子や、病気で目が見えなくなった料理人など、ある日突然、当事者になることがあるんです。

当事者になる原因はさまざま…

当事者になる原因は本当にさまざまです。例えば:

  • 1. 事故やけが:交通事故やスポーツ中のけがで、脊髄損傷や脳損傷を負うことがあります。
  • 2. 病気や疾患:脳卒中や心筋梗塞、糖尿病などが原因で、視覚や聴覚、運動能力に影響が出ることも。
  • 3. 先天性障害:生まれつきの遺伝的要因や胎児期の問題で、身体や知的な障害を持って生まれることがあります。
  • 4. 加齢:高齢になると、視力や聴力の低下、関節の問題などが起こりやすくなります。
  • 5. 心理的・精神的な問題:鬱病や統合失調症などの精神疾患で、日常生活に支障をきたすこともあります。
  • 6. 環境要因:自然災害や戦争などで負傷したり、トラウマを抱えたりすることもあります。

初めて当事者になったときの困難

初めて当事者になったとき、多くの人が以下のような困難に直面します:

  • 1. 生活の変化:今までの習慣や活動が難しくなり、新しい生活スタイルを見つける必要があります。
  • 2. 心理的なショック:障害を受け入れることが大きな負担になります。
  • 3. 社会的な障壁:バリアフリーな環境が整っていないために、移動や活動に困難を感じることがあります。
  • 4. 医療・リハビリテーション:必要なサービスを受けるための手続きや費用面で苦労することも。
  • 5. 経済的な問題:働けなくなったり、追加の支援が必要になったりして、収入が減ることがあります。
  • 6. コミュニケーションの困難:言語や身体的な制約により、他者とのコミュニケーションが難しくなることも。

具体的な例:右手が使えなくなったら

例えば、右手が使えなくなった場合、こんな困難があります:

  • 1. 日常生活の障害:食事、服の着脱、入浴などの日常的な作業が難しくなります。
  • 2. 仕事の制約:右手を使う作業に影響が出る可能性があります。
  • 3. 自立度の低下:物を持ち運ぶことや移動の際に、若干面倒くさくなります。
  • 4. 心理的な影響:ご飯を食べるときなど、さまざまな場面でストレスを感じることになります。
  • 5. 技術的な対応:補助具やアダティブテクノロジーの利用が必要になることがあります。
  • 6. リハビリテーション:右手の機能を回復するためのリハビリに苦労することになります。

車の運転や家の中の工夫

右手が使えない場合、車の運転には制約がありますが、工夫次第で可能になることもあります。例えば:

  • 1. 運転席の調整:右手が使えない場合に対応するためのカスタマイズや改造が可能です。
  • 2. 運転補助装置:左手専用の運転補助装置を装着することで運転が可能になる場合があります。
  • 3. 自動車の改造:特別な運転装置や改造が施されているモデルもあります。
  • 4. 補助運転装置の導入:最新の自動運転技術や運転支援システムを導入することで、負担を軽減で きます。

家の中も改造が必要になることがあります:

  • 1. 家具の配置変更:左手でアクセスしやすいように配置を変更します。
  • 2. 設備の改造:手すりやスライドドアなどのバリアフリー設備を導入します。
  • 3. キッチンの改良:左手で使いやすい器具や、片手で操作できる調理器具を導入します。
  • 4. バスルームの改造:シャワーや浴槽を片手で使いやすくします。
  • 5. 収納の工夫:左手から簡単に取り出せる位置に調整します。
  • 6. 自動化とアシスト機器:スマートホーム技術を導入して、快適に生活できるようにします。

仕事はどうなる?

右手が使えなくなった場合、必ずしも会社を辞める必要はありません。以下のような対応が考えられます:

  • 1. 仕事の内容と職務適性の見直し:左手で対応できる仕事や他の役割に変更できないか検討します。
  • 2. 職場でのサポート:必要な機器や環境の改造、業務の調整などを確認します。
  • 3. リハビリテーションと適応:回復の見込みがある場合は、職場復帰を目指すことができます。
  • 4. 労働契約と法律の確認:適切な対応やサポートを受ける権利があるか確認します。
  • 5. 職場の柔軟性:リモートワークやフレキシブルな勤務形態が可能か確認します。
  • 6. 転職やキャリアの見直し:新たな職場やキャリアの選択肢を検討することも考えられます。

大切なのは、一人で抱え込まないこと。専門家や周囲の人々のサポートを受けながら、新しい生活に適応していくことが重要です。

誰もが当事者になる可能性があるからこそ、お互いを理解し、支え合える社会を作っていくことが大切なんですね。みなさんも、身近な人が当事者になったとき、どんなサポートができるか、考えてみてはいかがでしょうか?