「障害者雇用」って言葉、聞いたことありますか?企業が障害のある方を雇用することを指すのですが、実は日本には、この障害者雇用を後押しするための大切な制度があるんです。それが「障害者雇用納付金制度」。ちょっと難しそうな名前ですが、今回はこの制度を、誰にでもわかりやすく、そして親しみやすく解説していきます!
障害者雇用納付金制度って何?
この制度は、企業が法律で定められた割合(法定雇用率)で障害のある方を雇用しているかどうかを確認し、もし不足している場合は納付金を納める仕組みです。逆に、法定雇用率を達成している企業や、さらに多くの障害当事者を雇用している企業には、助成金や調整金が支給されます。つまり、「みんなで支え合う」ことで、障害のある方の雇用を促進しようという制度なんです。
制度のポイントをチェック!
- 対象となる企業
常時雇用する労働者が100人以上の企業が対象です。ただし、2024年4月からは、対象企業の下限が「50人以上」に拡大される予定なので、より多くの企業がこの制度に関わることになります。 - 法定雇用率
民間企業では、全労働者の2.3%以上の障害当事者を雇用する義務があります。これは、企業の規模に応じて具体的な人数で算出されます。例えば、従業員が100人の企業なら、2.3人以上の雇用が求められる、というわけです。 - 納付金について
もし法定雇用率を達成していない場合、不足している人数1人につき、月額50,000円を納付する必要があります。 - 嬉しい助成金と調整金
- 調整金: 法定雇用率を超えて障害当事者を雇用している企業には、調整金が支給されます(1人につき月額27,000円)。これは、積極的に障害者雇用に取り組む企業への応援ですね!
- 助成金: 障害当事者が働きやすい環境を整えるための助成金も用意されています。例えば、職場のバリアフリー化や、特別な設備の導入費用などが対象となります。
- 納付金は何に使われるの?
納付金として集められた資金は、障害当事者の雇用を支援するために大切に使われます。具体的には、職場環境の整備や、障害当事者を積極的に雇用している企業への支援金などに活用されます。
なぜこの制度があるの?大切な目的
この制度には、大きく分けて3つの目的があります。
- 障害当事者が自立した生活を送るための雇用機会を増やすこと。
- 障害当事者が社会でいきいきと活躍できるようにすること。
- 企業に対して、障害者雇用の意識を高めること。
つまり、障害のある方もない方も、誰もが活躍できる社会を目指しているんですね。
制度を支える機関
この制度は、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が運営しており、ハローワークとも連携しながら、スムーズな制度運用が行われています。
最近の動き
最近では、障害者雇用率をさらに引き上げる議論や、中小企業の対応を支援する施策の拡充が進められています。これは、より多くの企業が障害者雇用に取り組みやすい環境を整えようという動きと言えるでしょう。
具体的な支援策と事例を見てみよう!
制度の概要がわかったところで、具体的な支援策と、実際に制度を活用している企業の事例を見ていきましょう。
具体的な支援策
- 雇用環境整備のための助成金: 障害当事者が働きやすい職場環境を整備するための費用の一部を助成します。例えば、バリアフリー化(スロープ設置、手すりの設置)、作業効率を高めるための特別な機器の導入、職場内サポートスタッフの配置費用などが対象です。
- 職場適応訓練: 職場適応援助者(ジョブコーチ)が企業に訪問し、障害当事者の業務適応をサポートする制度もあります。業務手順の指導や、職場での人間関係の調整などをサポートしてくれます。
- ハローワークの専門支援: ハローワークには「障害者職業相談員」がいて、障害当事者の特性に応じた仕事探しや、企業に対するアドバイスなど、きめ細かいサポートを行っています。また、障害当事者を試行的に雇用する場合に助成金が支給される「トライアル雇用助成金」という制度もあります。
- 障害者雇用に特化した人材紹介: 民間の人材紹介会社の中には、障害者雇用に特化した人材マッチングサービスを提供しているところもあります。
制度利用の事例
- 事例1:製造業での環境整備
ある中小の製造業では、重度身体障害当事者を採用する際、工場内の移動に対応するため床をフラットにしたり、車椅子でも利用できる特注の作業机を設置したりしました。これらの環境整備には、助成金を活用したそうです。結果として、障害当事者の生産効率が高まり、他の従業員にとっても作業環境の改善につながったそうです。 - 事例2:IT企業でのジョブコーチ支援
大手IT企業では、発達障害のある方を採用し、プログラム開発を担当してもらっています。ジョブコーチの支援を活用し、その方の特性に合わせたタスクの調整や、集中できるスペースの設置などを行った結果、高いパフォーマンスを発揮し、継続的な雇用につながっています。 - 事例3:小売業での視覚障害当事者雇用
スーパーマーケットでは、視覚障害当事者を雇用し、商品の棚卸業務を担当してもらっています。商品のバーコードを音声で読み取る専用機器を導入したり、通路にガイドラインを設けたりすることで、スムーズに業務を行えるように工夫しています。
まとめ:みんなでつくる、インクルーシブな社会
これらの事例からわかるように、障害者雇用を成功させるためには、単に採用するだけでなく、適切な支援や環境整備を行うことがとても大切です。そして、これらの取り組みは、障害当事者だけでなく、企業全体の働きやすさ向上にもつながることが多いのです。
このブログを通して、障害者雇用納付金制度について少しでも理解が深まり、障害のある方もない方も、誰もが活躍できるインクルーシブな社会の実現に繋がれば幸いです。