全国障害者スポーツ大会(全国障スポ)は、障がいのある選手がスポーツを通じて交流を深め、スポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障がいに対する理解を深め、障がいのある人の社会参加を推進することを目的とした、国内最大の障がい者スポーツの祭典です。
大会の概要
- 毎年、国民スポーツ大会(国スポ)終了後に、同じ都道府県で開催されます。
- 3日間の会期で、全国から都道府県・指定都市の選手団約5,500人が参加します。
- 競技は、正式競技(個人競技、団体競技)とオープン競技が実施されます。
- 主催は、公益財団法人日本パラスポーツ協会、文部科学省、開催地都道府県・指定都市、開催地市町村及び関係団体です。
大会の目的
- 障がいのある選手が、障がい者スポーツの全国的な祭典に参加し、競技等を通じ、スポーツの楽しさを体験する。
- 国民の障がいに対する理解を深める。
- 障がいのある方の社会参加の推進に寄与する。
競技の種類
- 正式競技:陸上競技、水泳、アーチェリー、卓球(サウンドテーブルテニスを含む)、フライングディスク、ボウリング、ボッチャなど
- オープン競技:正式競技以外にも、さまざまな障がい者スポーツが実施されます。
大会の特徴
- 障がいのある選手が、障がいの種類や程度に応じた区分で競技を行います。
- 団体競技では、選手の障がいの程度に応じて持ち点をつけ、チームの合計点が同等になるように編成することで、公平性を確保しています。
- 障がいのある人がスポーツをする機会を増やし、スポーツを通して社会参加を促す大会です。
全国障害者スポーツ大会は、障がいのある選手たちの熱い戦いと、スポーツを通じて生まれる感動と交流の場です。障がいのある方々がスポーツを通じて交流を深め、スポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障がいに対する理解を深め、障がいのある人の社会参加を推進することを目的としています。
歴史を紐解くと、以下のようになります。
- 前身となる大会:
- 昭和40年(1965年)から開催されていた「全国身体障害者スポーツ大会」
- 平成4年(1992年)から開催されていた「全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック)」
- 大会の統合:
- 平成13年(2001年)に、上記の2つの大会が統合され、「全国障害者スポーツ大会」として新たにスタートしました。
- 第1回大会は宮城県で開催されました。
- 大会の開催:
- 毎年、国民スポーツ大会(国スポ)終了後に、同じ都道府県で開催されます。
- 3日間の会期で、全国から都道府県・指定都市の選手団が参加します。
この大会は、障がいのある方々のスポーツ振興と、国民の障がいへの理解を深める上で、非常に重要な役割を果たしています。
全国障害者スポーツ大会のオープン競技は、障害者スポーツを広く普及させる目的で実施される競技です。参加資格に制限がないため、誰でも気軽に参加できる特徴があります。具体的な競技内容として以下が挙げられます:
- ふうせんバレーボール
- ブラインドテニス
- ソーシャルフットボール
- ウォーキングフットボール
- パラサーフィン など
ふうせんバレーボールは、老若男女、障がいのある人もない人も、誰もが一緒に楽しめるように考案されたインクルーシブなスポーツです。基本的なルールはバレーボールに似ていますが、いくつか特徴的なルールがあります。
特徴
- 使用するボール:
- 直径約40cmの大きな風船を使用します。
- 風船の中には鈴が入っており、視覚障がいのある人も音でボールの位置を把握できます。
- ピンク色の風船が一般的です。
- チーム編成:
- 1チーム6人制で、障がいのある人とない人が混合でチームを編成します。
- ルール:
- バドミントンコートを使用し、ネットを挟んで2チームが対戦します。
- チーム全員が必ず1回は風船に触れてから、10回以内に相手コートに風船を返します。
- ネット際やジャンプしてのアタック、サーブは禁止されています。
- 15点先取したチームが勝利となります。
- インクルーシブなスポーツ:
- 障がいの種類や程度、年齢、性別に関係なく、誰もが参加できるように工夫されています。
- 車椅子を使用する人も参加できます。
- レクリエーションとしても親しまれています。
ふうせんバレーボールの魅力
- 誰もが楽しめる:
- 簡単なルールと風船の特性により、運動が苦手な人や高齢者、障がいのある人も楽しめます。
- チームワークが重要:
- 全員が風船に触れる必要があるため、チームワークとコミュニケーションが重要になります。
- リハビリ効果も期待できる:
- 風船を追いかける動作は、全身運動になり、リハビリ効果も期待できます。
- 笑顔が生まれる:
- 風船ならではの予測不能な動きや、皆で協力してプレーすることから笑顔が生まれます。
ふうせんバレーボールは、スポーツを通して誰もが交流を深め、一体感を味わえる素晴らしいスポーツです。
ブラインドテニスは、視覚障がいのある人が楽しめるように考案されたテニスで、通常のテニスとは異なる独自のルールと用具を使用します。
競技の特徴
- 音を頼りにプレー:
- ボールには鈴が入っており、プレーヤーは音を頼りにボールの位置や動きを把握します。
- バウンド数:
- 視覚障がいの程度によって、ボールのバウンド数が異なります。
- 例えば、全盲の人は3バウンドまで、弱視の人は2バウンドまで認められています。
- コート:
- バドミントンコートを使用します。
- ネット:
- ショートテニス用ネットを使用します。
- ラケット:
- 通常のテニスラケットを使用します。
競技の魅力
- 視覚障がい者も楽しめる:
- 音を頼りにプレーすることで、視覚障がいのある人もテニスの醍醐味を味わえます。
- 集中力と聴覚:
- ボールの音を正確に聞き取る必要があり、集中力と聴覚が鍛えられます。
- 幅広い層が楽しめる:
- 視覚障がいの有無や年齢、性別に関係なく、誰もが一緒に楽しめます。
競技の歴史
- ブラインドテニスは、日本で考案されたスポーツです。
- 視覚障がいのある人がテニスを楽しめるように、ルールや用具が工夫されました。
- 近年では、海外でもブラインドテニスが普及し始めています。
ブラインドテニスは、視覚障がいのある人がスポーツを楽しむ機会を広げ、社会参加を促進するスポーツです。
これらの競技は、競技性だけでなく、楽しみながらスポーツを体験できることを重視しており、障害者スポーツの普及や交流の場としての役割を果たしています。
全国障害者スポーツ大会への参加方法は、大きく分けて以下のステップになります。
1. 参加資格の確認
- 身体障がい、知的障がい、精神障がいなどの障がいがあること。
- 大会開催年の4月1日現在で13歳以上であること。
- 都道府県や指定都市から選考された選手であること。
2. 各都道府県・指定都市の選手選考への参加
- 全国障害者スポーツ大会への出場は、お住まいの都道府県・指定都市の代表として参加します。そのため、各都道府県・指定都市で行われる選手選考会に参加する必要があります。
- 選手選考の基準や方法は、各都道府県・指定都市によって異なります。
- お住まいの都道府県・指定都市の障害者スポーツ協会などに問い合わせて、選考会の情報を確認してください。
3. 参加申し込み
- 選手選考を通過した場合、都道府県・指定都市を通じて大会への参加申し込みを行います。
4. 大会への出場
- 大会では、障がいの種類や程度に応じた区分で競技を行います。
情報収集のポイント
- お住まいの都道府県・指定都市の障害者スポーツ協会に問い合わせる。
- 日本パラスポーツ協会のウェブサイトで情報を確認する。
- 各都道府県、指定都市の広報などを確認する。
参考情報
- 公益財団法人日本パラスポーツ協会:https://www.parasports.or.jp/
全国障害者スポーツ大会は、障がいのある方々がスポーツを通じて交流を深め、スポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障がいに対する理解を深め、障がいのある人の社会参加を推進することを目的としています。
他の国でも、日本の全国障害者スポーツ大会と同様の障害者スポーツ大会が開催されています。以下にいくつか例を挙げます:
1. アジアパラ競技大会
- アジア全域から障害者アスリートが参加する大規模なスポーツ大会です。
- 4年に1度開催され、競技種目はオリンピック・パラリンピックに準じたものが行われます。
- 2026年には日本の愛知県で開催予定です。
2. パラリンピック
- 世界的な障害者スポーツ大会で、オリンピックと並行して4年ごとに開催されます。
- 障害者スポーツの普及と社会参加の促進を目的としています。
3. 特別支援学校や地域イベント
- 欧米では「Field Day」や「Sports Day」といった名称で、障害者を含むスポーツイベントが自由参加型で行われることがあります。
これらの大会は、障害者がスポーツを通じて交流し、社会的な理解を深める場として重要な役割を果たしています。