学習障害(LD)とは?種類と特徴、そして支援方法

学習障害(Learning Disability、LD)は、知的能力に問題がないにもかかわらず、特定の学習分野で困難を抱える発達障害です。この障害は、情報の処理、理解、記憶、または表現に関する問題によって引き起こされることが多く、読み書き、計算、注意力、記憶力、言語理解などの認知能力に影響を与えます。

主な学習障害の種類と特徴

1. ディスレクシア(読字障害)

   – 読むことや文字の認識に困難がある

   – 文字を一つ一つ拾って読む(逐次読み)

   – 読み飛ばしや、推測しながら不正確な読み方をする

2. ディスカリキュリア(算数障害)

   – 基本的な数の概念の理解が困難

   – 計算の手順を覚えることができない

   – 数字の書き間違いや読み間違いが多い

3. ディスグラフィア(書字障害)

   – 文字を書く速度が遅い

   – 文字の形が不規則で読みにくい

   – 文字や単語を省略する

学習障害当事者が直面する具体的な困難

1. ディスレクシアの場合

   – 本を読むときに「b」と「d」や「p」と「q」を混同する

   – 読書速度が遅く、授業の進行についていけない

   – 長文の意味を正確に理解するのが難しい

2. ディスカリキュリアの場合

   – 簡単な計算でも頻繁にミスをする

   – 代数の問題を解く際に式の扱い方がわからない

   – 数の順序を正しく並べることができない

3. ディスグラフィアの場合

   – 手書きの文字が読みにくく、評価が低くなる

   – 長文を書き続けるのが困難で、試験で十分な解答ができない

   – 書く速度が遅く、授業のノートを取るのが難しい

効果的な支援方法

学習障害当事者には、個別の支援が重要です。以下のような方法が効果的とされています

1. 個別指導生徒のペースに合わせた指導を行う

2. 教材の工夫視覚教材や音声教材、コンピュータ支援などを活用する

3. 時間の延長課題や試験の時間を延長する

4. 技術支援音声入力ソフト、タイピングソフト、読み上げソフトなどを使用する

ディスレクシアへの具体的な支援

– 音声教材や読み上げソフトを活用し、読む負担を軽減する

– 文字の大きさや行間を調整し、読みやすい環境を整える

音韻認識を向上させるための訓練を行う

ディスカリキュリアへの具体的な支援

– 視覚的なツールや具体物を使用して数学的概念を説明する

– 計算手順を細かく分解し、ステップバイステップで教える

– 数学ゲームやアプリを活用し、楽しみながら学習する

ディスグラフィアへの具体的な支援

– タイピングや音声入力ソフトウェアを活用し、書く負担を軽減する

筆記具の持ち方や文字の形を改善するための運筆訓練を行う

アイデアの整理や文章構成のスキルを高める指導を行う

まとめ

学習障害は、適切な支援と理解があれば克服可能な障害です。個々の特性に合わせた個別のアプローチによって、学習がよりポジティブな経験となるよう導くことが大切です

学習障害当事者は、多くの場合、他の分野で非常に優れた才能や能力を持っています。周囲の理解と適切なサポートがあれば、社会で活躍できる大きな可能性を秘めています。

一人ひとりの困りごとに耳を傾け、それぞれが持つ可能性を最大限に引き出すための手助けをしていくことが、私たち周囲の大人に求められています。学習障害への理解を深め、適切な支援を提供することで、すべての子どもたちが自信を持って学び、成長できる環境を作っていきましょう。

お役立ちコラム一覧へ戻る