精神障害者保健福祉手帳3級をお持ちの場合、様々な特典やサービスを受けることができます。ただし、手当金については、国からの障害年金とは別に、お住まいの自治体によって独自の制度がある場合があります。
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精神障害者保健福祉手帳3級で受けられる主な特典・サービス
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- 税金の控除・減免:
- 所得税、住民税の障害者控除
- 相続税の控除
- 贈与税の非課税
- 自動車税・軽自動車税の減免(自治体による)
- 預貯金の利子非課税制度(マル優)
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- 公共交通機関の割引:
- 鉄道、バス、航空機、タクシーなどの運賃割引(事業者・自治体による)
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- 公共施設・文化施設の割引:
- 映画館、美術館、博物館、レジャー施設などの入場料割引・無料(施設による)
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- 携帯電話料金の割引:
- 各携帯電話会社が提供する割引プランの利用
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- NHK受信料の減免:
- 世帯全員が住民税非課税の場合、全額免除
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- 医療費助成:
- 自治体によっては、医療費の助成制度があります。
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- 障害者雇用枠での就労:
- 障害者手帳を持つ方を対象とした求人に応募できます。
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- 生活福祉資金の貸付:
- 低金利または無利子で、生活に必要な資金の貸付を受けられる場合があります。
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- 日常生活用具の給付・貸与:
- 補装具や日常生活に必要な用具の給付や貸与を受けられる場合があります。
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- 各種相談支援:
- 生活や福祉に関する様々な相談支援を受けることができます。
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手当金について
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国からの障害年金の場合、精神障害3級のみでは障害基礎年金の対象にはなりません。障害基礎年金は1級または2級の方が対象となります。
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ただし、障害厚生年金には3級があり、一定の条件を満たせば受給できる可能性があります。障害厚生年金の金額は、加入期間や収入によって異なりますが、最低保証額が設定されています。令和7年度(2025年度)の最低保証額は年間623,800円です。
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お住まいの自治体によっては、精神障害者手帳3級の方を対象とした独自の手当金制度がある場合があります。金額や支給条件は自治体によって大きく異なりますので、お住まいの市区町村の障害福祉課にお問い合わせいただくのが確実です。
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確認すべきこと
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- 利用したいサービスや割引の具体的な内容や利用条件は、提供している事業者や施設、自治体によって異なります。利用前に必ず確認するようにしてください。
- 手当金の制度や金額は、お住まいの自治体によって異なります。
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ご自身の状況に合わせて、利用できる制度やサービスを積極的に活用してください。
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精神障害者保健福祉手帳3級で利用できる公共交通機関の割引についてですが、2025年4月1日現在、札幌市を含む北海道内および全国のJRグループでは、精神障害者手帳を所持している方への運賃割引制度が導入されます。
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JRの場合(2025年4月1日から)
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精神障害者保健福祉手帳に「旅客鉄道株式会社等旅客運賃減額」欄の記載があることが必要です。
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- 第1種: 精神障害1級の方
- 本人と介護者1名の普通乗車券、定期乗車券、回数乗車券、普通急行券が5割引
- 本人単独で利用する場合も、片道の営業キロが100kmを超える場合は普通乗車券が5割引
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- 第2種: 精神障害2級および3級の方
- 本人単独で利用する場合は、片道の営業キロが100kmを超える場合に普通乗車券が5割引
- 12歳未満の第2種の方と介護者1名の場合、定期乗車券が5割引
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札幌市内の公共交通機関
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- 札幌市営地下鉄・市電: 精神障害者保健福祉手帳を提示することで、本人と介護者1名まで運賃が5割引になります。
- ばんけいバス: 精神障害者保健福祉手帳を提示することで、本人と介護者1名まで運賃が5割引になります。
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その他の交通機関
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- バス: 多くのバス会社で、精神障害者手帳の提示により運賃が割引(3割引~無料など、会社によって異なります)になる場合があります。事前に各バス会社にお問い合わせください。
- 航空機: 国内線の運賃が3~5割引になる場合があります。航空会社によって割引率や条件が異なりますので、事前に各航空会社にお問い合わせください。
- タクシー: 自治体によっては、タクシー料金の割引や福祉タクシー利用券の交付制度があります。お住まいの自治体の障害福祉課にお問い合わせください。
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重要な注意点
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- 割引を受ける際には、必ず精神障害者保健福祉手帳を提示する必要があります。
- 割引の条件や割引率は、各事業者や自治体によって異なります。利用前に必ず各事業者の窓口やホームページで確認してください。
- JRの場合、割引対象となるのは片道100kmを超える乗車券です(第2種の場合)。
- 小児定期券は割引対象外となる場合があります。
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精神障害者保健福祉手帳3級をお持ちの場合、主に以下の税金の控除や減免を受けることができます。
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国税
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- 所得税の障害者控除:
- ご本人または生計を一にする配偶者や親族が障害者の場合、所得控除を受けることができます。
- 3級の場合は「特別障害者」ではなく「障害者」に該当し、控除額は27万円です。
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- 相続税の障害者控除:
- 相続または遺贈により財産を取得した方が障害者の場合、一定の金額が相続税から控除されます。
- 3級の場合は、満85歳になるまでの年数1年につき6万円が控除されます。
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- 贈与税の非課税:
- 特定の障害者の方への贈与については、一定の金額まで贈与税が非課税となります。
- 3級の場合は、非課税限度額が6,000万円です(特別障害者の場合は3,000万円)。
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- 預貯金の利子非課税制度(マル優):
- 一定額までの預貯金や公債の利子について、所得税が非課税となります。
- 通常、手帳の提示が必要になります。
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地方税
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- 住民税の障害者控除:
- 所得税と同様に、ご本人または生計を一にする配偶者や親族が障害者の場合、所得控除を受けることができます。
- 3級の場合は「特別障害者」ではなく「障害者」に該当し、控除額は26万円です(自治体によって多少異なる場合があります)。
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- 自動車税・軽自動車税の減免:
- ご本人または生計を一にする方が所有する自動車について、一定の条件のもとで自動車税または軽自動車税が減免される場合があります。
- 減免の条件や範囲はお住まいの都道府県や市区町村によって異なります。詳細はお住まいの自治体の税務課にお問い合わせください。
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手続きについて
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- 所得税や住民税の障害者控除を受けるためには、確定申告や年末調整の際に障害者手帳の提示または写しの提出が必要となる場合があります。
- 相続税や贈与税の控除・非課税措置を受ける際も、申告書に手帳の情報を記載し、必要書類を添付する必要があります。
- 自動車税・軽自動車税の減免手続きは、お住まいの自治体の税務課で行います。手帳や運転免許証などの必要書類を持参してください。
- マル優を利用する際は、金融機関に手帳を提示して手続きを行います。
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重要な注意点
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- 上記は一般的な内容であり、個々の状況や自治体の条例によって異なる場合があります。
- 手続きの際には、必ず最新の情報を各関係機関(税務署、市区町村の税務課など)にご確認ください。
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ご自身の状況に合わせて、利用できる税の減免制度をしっかりと活用してください。
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精神障害者手帳3級をお持ちになると、日常生活を送る上での様々な困難に対して、以下のような支援を受けることができます。ただし、サービス内容や利用条件は、お住まいの自治体や事業所によって異なる場合がありますので、詳細はお住まいの市区町村の障害福祉課や精神保健福祉センターにお問い合わせください。
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1. 相談支援
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- 精神保健福祉センター: 精神保健に関する専門的な相談や情報提供、関係機関との連携などを行います。札幌市には「札幌こころのセンター」があります。
- 障害者就業・生活支援センター: 就職に関する相談や支援だけでなく、日常生活全般に関する相談も行っています。
- 地域生活支援センター: 地域で生活する障害のある方やその家族に対し、日常生活や福祉制度に関する相談、交流の場の提供などを行います。札幌市内にも複数の地域生活支援センターがあります。
- 相談支援事業所: 個別支援計画を作成し、様々な福祉サービスの利用支援や関係機関との連絡調整などを行います。
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2. 日常生活の支援
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- 居宅介護(ホームヘルプサービス): 食事、入浴、排せつ、着替え、家事などの日常生活上の支援を、ホームヘルパーが自宅で行います。
- 行動援護: 外出時の移動やコミュニケーションの支援、危険を回避するための援助などを行います。
- 自立訓練(生活訓練): 日常生活を送る上で必要な生活スキル(調理、洗濯、掃除、金銭管理、服薬管理など)の習得を支援する事業所やプログラムを利用できます。
- 共同生活援助(グループホーム): 障害のある方が地域で共同生活を送る住居を提供し、日常生活の相談や支援を行います。
- 短期入所(ショートステイ): ご家族の病気や休息などにより、一時的に介護が困難になった場合に、障害のある方が施設に短期間入所できます。
- 日常生活用具の給付・貸与: 重度な障害のある方に対し、日常生活に必要な用具(補装具、車いす、特殊寝台など)の給付や貸与が行われる場合があります。
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3. 就労支援
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- 就労移行支援: 一般企業への就職を目指す障害のある方に対し、就職に必要な知識やスキル向上のための訓練や、就職活動の支援を行います。
- 就労継続支援A型・B型: 一般企業での就労が困難な障害のある方に対し、働く場を提供するとともに、能力や適性に合わせた作業や訓練を行います。A型は雇用契約を結び、B型は比較的軽作業が中心です。
- 障害者職業センター: 職業評価、職業相談、職業訓練など、専門的な職業リハビリテーションサービスを提供します。
- ハローワーク: 障害のある方を対象とした専門の窓口があり、求人情報の提供や就職相談などを行います。
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4. その他の支援
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- 成年後見制度: 判断能力が十分でない方の財産管理や身上監護を支援する制度です。
- 日常生活自立支援事業: 判断能力が十分でない障害のある方に対し、福祉サービスの利用援助、金銭管理、書類等の預かりなどを行います。
- 交通費助成: 自治体によっては、通院や社会参加のための交通費の一部助成制度があります(札幌市には精神障害者交通費助成があります)。