親切もほどほどに!障害者が直面する“過剰親切”のリアル

皆さん、街中で誰かに親切にされた経験はありますか?
例えば、スーパーのレジで買い物を袋に詰めてもらったり、電車で席を譲ってもらったり。
これらの親切な行動は、私たちの心を温かくしてくれる素晴らしいものです。しかし、時にはその親切が過剰すぎて、逆に困ってしまうことがあります。
私は身体に障害を抱えていますが、日頃体験していたり、同じ身体の障害を抱えた人から伝え聞く「過剰親切」について考えてみたいと思います。
実は、障害によってはとても危険で、事故になりかねないこともあるので、ぜひ最後までお付き合いいただけたらと思います!
注意!?無断での手助けは迷惑行為に
視覚障害者が白杖を使って歩いているとき、何も言わずに手を引いたり肩を押して案内しようとする行為は、一見親切に見えますが、本人にとっては非常に迷惑なことも。
実は目が見えないことで、その人が親切な人なのか自分に危害を加えて来る人なのか判断ができず、心理的な恐怖が生まれます。
これは親切を通り越して、軽い暴力になってしまうこともありますので、親切心はとても良いことなのですが、まずは相手の意向を確認することが大切です。
誤解が生まれないように、ひと言声をかけていただけると助かります!
迷惑!?過度な声かけは逆効果
車椅子を使用している人に対して、「手伝いましょうか?」と声をかけることも、善意から来る行動です。
ただ、本人の意向にそぐわないまま、繰り返し声をかけてしまうと、押し売りのように感じてしまいます。
確かにちょっとした段差や坂道など、人の手助けが必要な場合もありますが、その障害と一生付き合うのは当事者本人。親切心が仇となることもあるので、気をつけたいところです。
障害を抱えた人も、自分でできることは自分でやりたいという気持ちがあることを理解しましょう。
そうなの!?何でも代わりに行うのはNG
聴覚障害の人が手話や筆談で伝えようとしている時、その人の意向を確認せずに第三者が「代わりに話してあげる」と言ってしまうことも、「過剰親切」の一例です。
会話がスムーズにいかないことや理解の齟齬があると傍目でわかっていたとしても、会話をしようとしている人、それを聞こうとしている人がお互いに集中している最中に、親切心からでも横槍を入れてしまうと、むしろ混乱を招く恐れがあります。
本人の意思を尊重し、必要な場合にのみサポートを提供するように心掛けましょう。
おっと!先回りして行動するのは控えめに
レストランやカフェで、障害当事者が注文しようとする前に、店員が「こちらが食べやすいでしょう」と特定のメニューを勧める行為。これも親切心からの行動ですが、本人の選択を奪ってしまうことがあります。まずは相手に選択の自由があることを認識しましょう。
まだまだある!?「過剰親切」
公共施設
電車やバスに乗る際、スタッフや他の乗客がいきなり勝手に車椅子を押したり、視覚障害当事者の腕を引いて案内しようとすることがあります。これも親切心からの行動ですが、本人が驚いたり、バランスを崩す原因となります。まずは声をかけて確認することが重要です。
売り場
スーパーやデパートで商品を選んでいる際、店員や他の客が「これが良いですよ」と勝手に商品を選んで渡すことがあります。障害当事者も自分で選びたいという気持ちがありますので、必要以上に干渉しないようにしましょう。
路上や街中で
視覚障害当事者が白杖を使って歩いているときに、無断で手を引いたり肩を押して「こっちが安全です」と案内しようとすることがあります。これも親切心からの行動ですが、まずは相手の意思を尊重することが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。あ、私思い当たる!と思った方、あなたの行為は決して悪いことではありません。障害を抱えた人に親切にしようとすることは、優しい社会への第一歩となる尊い行為です。どうか、不愉快にならないでいただきたいと切に願います。
私は障害当事者として、何度も助けていただいた経験があり、とても感謝しています。
ただ、その親切を正しく相手が理解するためには、まずは相手の意向を確認し、必要な場合にのみ手助けをするということをしてもらいたいと思いました。お互いを尊重し、理解し合うことで、より良い社会が築けるのではないでしょうか。
今回は、その親切な行為をありがたいと思う反面、ちょっと行き過ぎでは?と感じている私や、他の障害当事者からの声をお届けしました。
最後までお付き合いいただき、大変ありがとうございます。