障害当事者の社会参加を阻む壁:DPI女性障害者ネットワークの挑戦

こんにちは!今回は、障害当事者、特に女性の社会参加について考えてみたいと思います。DPI女性障害者ネットワークという団体をご存知ですか?この団体は、障害当事者の女性が直面する様々な課題に取り組んでいます。

DPI女性障害者ネットワークとは?

DPI(Disabled Peoples’ International)は、世界80カ国以上で活動する国際的な障害者団体です。その中で、DPI女性障害者ネットワークは特に女性の障害当事者に焦点を当てた活動を行っています。

このネットワークは、1986年に設立され、当初から「女性障害当事者の自立促進と優生保護法撤廃」をメインテーマに掲げてきました。障害当事者の女性が直面する複合的な差別や困難に取り組み、彼女たちの声を社会に届ける重要な役割を果たしています。

世界各国での活動

DPI女性障害者ネットワークの活動は世界中に広がっています。例えば

1. アメリカでは、障害者権利法(ADA)の推進に貢献し、職場での平等な機会を求める運動を展開しています。

2. インドでは、低所得層や農村部の障害当事者女性の教育や雇用へのアクセス改善に取り組んでいます。

3. ブラジルでは、障害当事者女性に対する暴力問題に取り組み、法的枠組みの強化を進めています。

日本でも、DPI日本会議を通じて、障害当事者女性の社会参加支援や権利向上のための活動が行われています。

社会参加を阻む壁とは?

では、なぜ障害当事者の社会参加は難しいのでしょうか?主な理由を見ていきましょう。

1. 物理的・環境的障壁

バリアフリーの不足や公共交通機関の不便さは、障害当事者の移動を困難にします。例えば、車椅子ユーザーにとって階段は大きな障害となります。また、視覚障害のある人にとっては、点字案内の不足が問題になることがあります。

2. 社会的・文化的障壁

残念ながら、社会には依然として障害当事者に対する偏見や差別が存在します。「無力」や「依存的」といったステレオタイプは、障害当事者の社会参加意欲を削ぐことがあります。

3. 経済的障壁

障害当事者は就業機会が限られていることが多く、経済的自立が難しい場合があります。また、医療費や生活支援のための費用も大きな負担となることがあります。

4. 心理的障壁

社会からの疎外感や差別経験により、自己肯定感が低下したり、社会参加への不安や恐怖を感じたりすることがあります。

5. 政策と法的障壁

障害当事者の権利を保障する法整備が不十分だったり、法律はあっても実施が不十分だったりする場合があります。

DPI女性障害者ネットワークの取り組み

これらの障壁に対し、DPI女性障害者ネットワークはどのような活動を行っているのでしょうか?

1. 複合差別の可視化2012年に「障害のある女性の生活の困難」という報告書を発行し、障害当事者女性の「生きづらさ」をデータとして示しました。

2. 国際的な働きかけ2015年~2016年には、国連女性差別撤廃委員会の日本審査に向けて、障害当事者女性の実情を訴えるためジュネーブに派遣団を送りました。

3. 国内での活動日本では、障害当事者女性のエンパワメントや権利擁護のための活動を行っています。例えば、「しゃべり場」という経験共有の場を設けたり、様々な政策への提言活動を行ったりしています。

まとめ

障害当事者、特に女性の社会参加には多くの障壁がありますが、DPI女性障害者ネットワークのような団体の活動により、少しずつ改善が進んでいます。しかし、まだまだ課題は山積みです。

私たち一人一人が、障害当事者の社会参加について考え、行動することが大切です。例えば、身近なバリアに気づいたら声を上げる、障害当事者の方々の声に耳を傾ける、といったことから始められるかもしれません。

みんなで力を合わせれば、きっと障害の有無に関わらず、誰もが自分らしく生きられる社会を作ることができるはずです。一緒に考え、行動していきましょう!

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