障害者スポーツセンターって全国にいくつぐらいあるんですか? どこでも使えるんですか?

全国の障害者専用・優先スポーツ施設は150施設存在し、2010年からの調査で過去最多を記録しています。施設数は2010年116施設→2012年114施設→2015年139施設→2018年141施設と推移し、2021年調査では新設5施設と要件適合4施設が追加されました。


利用条件は施設によって異なりますが、主な特徴は以下の通りです。

  1. 利用対象者
    • 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳保持者が基本
    • 戦傷病者手帳や難病患者医療受給者証なども対象の場合あり
    • 介護者や登録ボランティアも同伴可能
  1. 利用方法
    • 初回利用時に障害者手帳提示が必要(例:東京都障害者総合スポーツセンター)
    • 利用証交付後に無料利用可能(名古屋市・埼玉県など)
    • 事前予約不要の施設と要予約施設が混在
  1. 地域格差
    • 東京都(2施設)・大阪市(2施設)など大都市に大規模施設集中
    • 利用者数上位:大阪市長居(210,727人)・東京都総合(126,026人)
    • 都道府県によって施設数に偏り(例:群馬県2施設、鹿児島県1施設)
  1. 施設設備
    • 温水プール(水温30℃以上)・トレーニングルーム・宿泊施設完備
    • 車椅子対応送迎バス運行(東京都)
    • 重度障害者向けプログラム実施(浮遊体験など)

「どこでも使える」わけではなく、原則として各施設の管轄地域内の利用が主ですが、東京都施設のように都外者も利用可能な例もあります。利用前には各施設の利用規約確認が必要です。


全国の150か所の障害者スポーツセンターは全都道府県に分布していますが、特に大都市圏や県庁所在地に集中する傾向があります。主要な施設の所在地を地域別にまとめます。

北海道・東北
宮城県障害者福祉センター、秋田県勤労身体障害者スポーツセンター、福島県内3施設(いわき・郡山など)

完全な150施設リストは笹川スポーツ財団のPDF(277KB)で公開、都道府県別に詳細住所が記載されています。施設名称に「サン・アビリティーズ」が含まれる施設が各地に存在(例:水戸・豊田・今治など)。新規施設は2019-2021年に岐阜・静岡・鳥取などで追加されています。


全国の障害者専用・優先スポーツ施設の都道府県別最多保有数は、兵庫県と愛知県が上位として挙げられます。ただし、最新の2021年調査では個別の都道府県別施設数は明記されていないものの、以下の根拠から傾向を分析します。

  1. 2012年データ(114施設時)
    • 兵庫県:7施設(全国最多)
    • 愛知県:6施設
    • 大阪府・福岡県:各5施設
    • 群馬県:4施設
  1. 2021年時点(150施設)
    • 兵庫県:少なくとも8施設(兵庫県立障害者スポーツ交流館・しあわせの村・西宮市総合福祉センターなど)
    • 愛知県:少なくとも10施設(名古屋市障害者スポーツセンター・サン・アビリティーズ豊田・春日井市福祉文化体育館など)
    • 大阪府:8施設(長居・舞洲・ファインプラザ大阪など)
  1. 施設名称パターン
    • 「サン・アビリティーズ」名称施設が群馬県3施設(前橋・高崎関連)
    • 福島県3施設(いわき・郡山など)
  1. 最新動向
    • 2019-2021年に岐阜・静岡・鳥取などで新規施設追加
    • 政令指定都市に集中傾向(例:名古屋市2施設・堺市1施設)

現状の最多は愛知県が有力ですが、公式の都道府県別ランキングは非公表です。詳細は笹川スポーツ財団の施設一覧PDFで個別確認が必要です。兵庫県と愛知県が引き続き上位を維持していると推測されますが、市町村単位では大阪市(2施設)や名古屋市(2施設)が突出しています。


障害者スポーツセンターの利用方法は施設によって細部が異なりますが、主な共通手続きと特徴は以下の通りです。

1. 初回利用手続き

  • 障害者手帳の提示必須
    身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳のいずれかを提示(京都市、東京都など)。
    ▶例外:医師証明書等で代替可能な施設あり(東京都)。
  • 利用証の発行
    申請書記入後、即日発行(京都市)。東京都では初回手続き後に利用証提示が原則。

2. 利用時間帯

  • 3部制が主流
    ▸午前(9:30-12:30)
    ▸午後(13:30-16:30)
    ▸夜間(17:30-20:30)
    ※京都市は木曜午後を追加設定。
  • 休館日
    ▸毎週火曜日(京都市)
    ▸第3金曜日・祝翌日・年末年始(12/28-1/4)

3. 施設別利用フロー

プール利用例(京都市)

  1. 利用証と交換で「利用札+ロッカー鍵」受領
  2. 水泳帽必須着用(更衣室無料ロッカー利用可)
  3. 利用終了後、札を職員へ返却

トレーニング室

  • 上履き必須(卓球室含む)
  • 筋力トレ機器+手摺付ウォーキングデッキ(栃木県例)

4. 団体利用

  • 5名以上は3ヶ月前予約(京都市)
  • 抽選制の場合あり(午前9:35抽選/京都市)
  • 半数以上が障害者の団体は料金免除(栃木県)

5. 費用体系

  • 基本無料(名古屋市・埼玉県など)
  • 有料例:
    ▸トレーニング室530円/回(一般・栃木県)
    ▸アリーナ430円/回(一般・栃木県)
    ▸障害者本人+介助者1名は全施設無料(栃木県)

6. 設備基準

  • 必須設備:体育館・プール・更衣室・宿泊室(A型施設)
  • 特徴的設備:
    ▸サウンドテーブルテニス専用室(栃木県)
    ▸障害者用送迎バス(東京都)

要確認事項:
▸地域により「介護者同伴必須」ルールあり
▸車椅子用更衣台の有無は施設ごとに確認要
▸オンライン予約可否は施設により異なる(東京都は電話予約)


障害者スポーツセンターの利用料金は施設によって異なりますが、主に以下の体系で構成されています。

1. 基本料金体系

  • 障害者本人と介助者1名:無料(全施設共通)
  • 一般利用者:施設・時間帯別に有料(例:体育館500-5,000円、プール200-1,000円)

2. 主要施設の具体例

▸ 北九州市アレアス

施設一般料金障害者会員料金
体育館520円/回無料(月額2,000円で全施設利用可)
プール750円/回無料(プログラム受講料500円別途)
トレーニング室520円/回無料
駐車場30分無料→100円/30分3時間30分無料

▸ 京都市

施設一般料金(1回)
プール大人1,000円/子供500円
トレーニング室400円
体育室(全面)3,700-8,900円(時間帯別)

▸ 大阪市長居センター

利用形態児童料金一般料金
個人利用(卓球台)50円/回100円/回
団体利用(体育室)960円/午前1,200円/午前
プール専用10,000円/午前12,500円/午前

▸ 栃木県

施設一般料金免除対象
アリーナ430円/回障害者+介助者1名
トレーニング室530円/回障害者団体(半数以上が障害者)

3. 特徴的な料金制度

  • 会員制:
    ▸ 北九州市で月額2,000円(障害者)→全施設利用可
    ▸ 一般会員は月額6,000円(トレーニング室含む)
  • 宿泊料金:
    ▸ 東京都:
    1泊1,500円(障害者+介助者1名)
  • 駐車場:
    ▸ 福岡市:
    障害者車両無料
    北九州市:3時間30分無料

4. 無料条件の詳細

  • 対象者:
    ▸ 身体・療育・精神障害者手帳保持者
    ▸ 介助者1名(ボランティア含む場合あり)
  • 例外:
    ▸ プログラム受講料(北九州市で500円)
    ▸ 宿泊時の追加介助者(東京都で2,000円/人)

5. 注意事項

  • 年長者割引:北九州市で65歳以上は半額(要証明書提示)
  • 時間制限:
    ▸ 大阪市で超過料金(300-5,000円/時間)
    ▸ 京都市で夜間料金最大8,900円
  • 必須装備:
    ▸ プール利用時は水泳帽着用(全施設)
    ▸ トレーニング室は上履き必須

料金体系は2024年7月現在の情報ですが、詳細は各施設の最新料金表で要確認です。障害者手帳提示が無料利用の必須条件となるため、初回利用時は必ず持参が必要です。

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