ペースメーカーを植え込んだ場合、身体障害者手帳の交付対象となる可能性が高いです。
ただし、平成26年4月1日以降、認定基準が変更され、一律に1級と認定されるわけではなくなりました。ペースメーカーへの依存度や日常生活活動の制限の程度に応じて、1級、3級、または4級のいずれかに認定されることになります。
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具体的な認定基準のポイント
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- 1級: 心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの(メッツの値が2未満のものなど)。先天性疾患により18歳未満で植え込みをした場合は、従来通り1級に認定されます。
- 3級: 心臓の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの(メッツの値が2以上4未満のものなど)。
- 4級: 心臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの(メッツの値が4以上のものなど)。
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再認定について
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ペースメーカーを植え込んだ場合、3年以内に再認定が行われることが原則とされています。植え込み直後は1級に認定されても、再認定の際には日常生活活動の制限の程度に応じて等級が変更される可能性があります。
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申請手続き
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身体障害者手帳の申請は、お住まいの市区町村の福祉課や福祉事務所で行います。所定の申請書と医師の診断書が必要となりますので、詳細は窓口で確認してください。
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補足
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- ペースメーカー以外にも、体内植え込み型除細動器(ICD)を装着した場合も同様の基準が適用されます。
- 身体活動能力の評価には「メッツ(METs)」という指標が用いられます。
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ご自身の状況が認定基準に該当するかどうかは、主治医と相談し、診断書を作成してもらう際に確認することが重要です。
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ペースメーカーを植え込んだ場合に身体障害者として認定される基準は、ペースメーカーへの依存度や日常生活活動の制限の程度によって判断されます。
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具体的には、以下のいずれかの等級に認定される可能性があります。
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- 1級:
- 心臓の機能の障害により、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される場合(安静時やごく軽い活動でも息切れや動悸などが生じ、ほとんど寝たきりの状態に近い場合など)。
- 身体活動能力の指標であるメッツ(METs)の値が2未満の場合。
- 先天性心疾患により18歳未満でペースメーカーを植え込んだ場合。
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- 3級:
- 心臓の機能の障害により、家庭内での日常生活活動が著しく制限される場合(家事や身の回りのことが困難な場合など)。
- メッツの値が2以上4未満の場合。
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- 4級:
- 心臓の機能の障害により、社会での日常生活活動が著しく制限される場合(通勤や通学、一般的な社会活動が困難な場合など)。
- メッツの値が4以上の場合。
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重要な点:
- 平成26年4月1日以降に認定基準が見直され、一律に1級と認定されるわけではなくなりました。
- 植え込み後3年以内には再認定が行われることが原則であり、その際の身体活動能力に応じて等級が変更される可能性があります。
- 認定には、医師の診断書が必要となります。
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ご自身の具体的な状況については、主治医にご相談いただき、身体障害者手帳の申請について、お住まいの市区町村の福祉担当窓口にご確認ください。
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ペースメーカーを装着された方が受けられる支援は、身体障害者手帳の取得によって利用できるもの以外にもいくつかあります。主な支援は以下の通りです。
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1. 医療費助成制度
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- 自立支援医療制度(更生医療):
- 身体障害者手帳の交付を受けた方が、心臓機能障害に対する医療(ペースメーカー植え込み手術など)を受ける際に、医療費の自己負担額が軽減される制度です。原則として自己負担割合が1割になり、所得に応じた自己負担上限額が設定されます。
- 利用するには事前の申請と受給者証の交付が必要です。
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- 高額療養費制度:
- 医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、ひと月の上限額を超えた場合に、その超えた額が支給される制度です。ペースメーカーの植え込み手術など、高額な医療費がかかる場合に適用されます。
- 事前の申請が必要な場合や、自動的に適用される場合など、加入している公的医療保険によって異なります。
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2. 障害年金
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- 病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取れる年金です。ペースメーカーを装着している場合、心臓機能に障害があると判断されるため、一定の条件(初診日要件、保険料納付要件など)を満たせば受給対象となります。
- ペースメーカーの装着は、原則として障害等級3級に認定されることが多いですが、CRTやCRT-Dを装着した場合は2級に認定されることもあります。
- 障害認定日は、通常、初診日から1年6ヶ月経過した日ですが、ペースメーカー装着の場合は、装着した日が障害認定日となる特例があります。
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3. 税制上の優遇措置
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身体障害者手帳の等級に応じて、所得税や住民税の障害者控除が受けられます。
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- 障害者控除:
- 一般障害者:所得税27万円、住民税26万円
- 特別障害者(1級・2級):所得税40万円、住民税30万円
- その他、相続税や贈与税の控除、自動車税の減免などがあります。
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4. 公共料金等の割引・免除
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身体障害者手帳を提示することで、以下のようなサービスが受けられる場合があります。
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- 公共交通機関の割引: JR、地下鉄、バス、飛行機などの運賃割引。
- 携帯電話料金の割引: 各通信事業者が提供する障害者向けの割引プラン。
- NHK受信料の免除: 一定の条件を満たす場合に全額または半額免除。
- 有料道路通行料金の割引: 身体障害者手帳をお持ちの方ご自身が運転する場合や、重度の障害者の方を乗せて介護者が運転する場合に割引。
- 公共施設や娯楽施設の割引・無料化: 動物園、美術館、映画館、遊園地など。
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5. その他の福祉サービス
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- 補装具費の支給: 身体の機能を補完・代替する用具(義肢、装具など)の購入や修理費用の一部または全額が支給される場合があります。ペースメーカー自体はこれに該当しませんが、関連する装具などがあれば対象となる可能性があります。
- 日常生活用具の給付: 身体の不自由を補うための用具(特殊寝台、入浴補助用具など)の給付や貸与。
- 居宅介護・重度訪問介護などの在宅サービス: 身体の状況に応じて、ホームヘルパーの派遣などを受けられる場合があります。
- 施設入所支援: 自宅での生活が困難な場合に、障害者支援施設への入所が可能です。
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これらの支援制度は、お住まいの自治体や個人の状況(所得、障害の等級など)によって利用できる内容や手続きが異なります。詳細については、お住まいの市区町村の福祉担当窓口や、病院の医療相談室にご相談いただくことをお勧めします。
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「メッツ(METs)」は、身体活動の強さを示す国際的な単位です。正式には「Metabolic Equivalents(代謝当量)」の略で、安静にしている状態を「1メッツ」としたときに、その活動が何倍のエネルギーを消費するかを表します。
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心臓機能障害などの身体障害者手帳の認定基準では、このメッツの値を用いて、日常生活活動の制限の程度(身体活動能力)を客観的に評価します。
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メッツの基本的な考え方
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- 1メッツ: 座って安静にしている状態の消費エネルギーです。1分間に体重1kgあたり約3.5mlの酸素を消費する状態と定義されます。
- 活動のメッツ値: 各種の身体活動が、安静時の何倍のエネルギーを消費するかを示します。例えば、普通歩行が3メッツであれば、安静時の3倍のエネルギーを消費していることになります。
- 運動量(メッツ・時): メッツ値に活動時間を掛け合わせることで、総運動量を算出できます(例:3メッツの活動を1時間行うと3メッツ・時)。
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メッツを用いた身体活動能力の評価と障害認定基準
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ペースメーカーを装着した心臓機能障害の身体障害者手帳の認定基準では、メッツの値が以下のように示されています。
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- 2メッツ未満:
- 状態: ベッドで安静が必要な状態、またはごく軽い活動でも息切れや動悸が生じ、ほとんど寝たきりの状態に近い。
- 認定基準: 1級(自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される)に該当する可能性があります。
- 2メッツ以上4メッツ未満:
- 状態: 平地歩行ができるが、家事や身の回りのことが困難など、家庭内での日常生活活動が著しく制限される状態。
- 認定基準: 3級(家庭内での日常生活活動が著しく制限される)に該当する可能性があります。
- 4メッツ以上:
- 状態: 早歩きや坂道歩行もできるが、通勤や通学、一般的な社会活動が困難など、社会での日常生活活動が著しく制限される状態。
- 認定基準: 4級(社会での日常生活活動が著しく制限される)に該当する可能性があります。
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(参考)具体的な活動とメッツ値の例
| 活動内容 | おおよそのメッツ値 | 備考 |
| 安静に座る、寝る | 1.0 | 基礎となる値 |
| テレビを見る | 1.0 | |
| 食事をする、着替える | 1.5~2.5 | 座って行うか、立って行うかなどで変動 |
| 軽いシャワーを浴びる | 2.0 | |
| 普通歩行(平地) | 3.0 | |
| 掃除機をかける、窓拭き | 3.0~3.5 | |
| ラジオ体操 | 3.0~4.0 | |
| 早歩き(平地) | 4.0~5.0 | |
| 庭仕事(軽い草むしりなど) | 4.0 | |
| 階段を上る | 4.0~6.0 | 速度や段数による |
| 軽いジョギング | 7.0 | |
| 水泳 | 7.0~8.0 | 泳ぎ方による |
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メッツ値の測定・評価方法
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メッツ値を正確に測定するには、運動負荷試験(トレッドミルや自転車エルゴメーターなどを使用して、段階的に運動負荷を上げて心電図や血圧、酸素摂取量などを測定する検査)が行われることが多いです。これにより、どの程度の身体活動まで可能か、心臓にどの程度の負担がかかるかなどを客観的に評価します。
また、日常生活での活動内容を問診し、上記のメッツ値の目安と照らし合わせて評価することもあります。障害者手帳の診断書を作成する医師は、これらの情報に基づいて、その方の身体活動能力を判断し、メッツ値を記載します。
メッツは、身体活動の強度を分かりやすく示す便利な指標であり、健康維持・増進だけでなく、障害認定においても重要な役割を果たしています。