英語で「障害者」を表す言い方はいくつかあります。文脈や使う場面によって適切な表現が異なりますので、以下に主な言い方とそのニュアンスをまとめます。
一般的な表現
- person with a disability
(障害のある人)
最も一般的で推奨される表現です。人を主体に置く「person-first language(人を先にする言い方)」です。 - disabled person
(障害者)
イギリス英語圏ではよく使われます。最近は「identity-first language(アイデンティティを先にする言い方)」として、当事者が自分のアイデンティティとして使うことも増えています。
その他の表現
- people with disabilities
(障害のある人々)
複数形の場合はこちら。 - individual with a disability
(障害のある個人)
フォーマルな場面で使われます。
注意が必要な表現
- handicapped
(ハンディキャップを持つ人)
昔はよく使われましたが、今は差別的・時代遅れとされ、推奨されません。 - the disabled
(障害者たち)
これも人を一括りにしてしまうため、避けるのが望ましいです。
一番無難で推奨される言い方は
person with a disability
または
people with disabilities
です。
状況や当事者の希望に応じて「disabled person」も使われますが、古い表現や差別的な表現(handicappedなど)は避けましょう。
障害者に対して適切で尊重のある英語表現は、相手の人間性を大切にし、差別的なニュアンスを避ける表現です。近年では、person-first language(人を先にする言い方)が推奨されています。
推奨される表現
1. Person with a disability
- 意味:「障害のある人」
- 特徴:人間性を強調し、障害をその人の一部として扱う表現です。
- 例文:She is a person with a disability.
- 複数形:people with disabilities
2. Person with [specific disability]
- 意味:「○○の障害がある人」
- 例:person with visual impairment(視覚障害のある人)
- 例:person with autism(自閉症のある人)
アイデンティティ・ファーストの表現
一部の当事者やコミュニティでは、disabled person(障害者)のように障害をアイデンティティの一部として表現することもあります。
- 例:She is a disabled person.
この使い方はイギリス英語圏で特に多いですが、相手の希望を尊重して使うのが望ましいです。
避けるべき表現
- handicapped
- the disabled
- crippled
これらは古い表現、または差別的と受け取られることが多いので避けましょう。
最も尊重のある表現は
person with a disability
または
people with disabilities
です。
具体的な障害を指す場合は
person with [specific disability]
と表現しましょう。
相手やコミュニティの希望を尊重しつつ、常に人を主体にした言葉を選ぶことが大切です。
障害者を英語で指す際に避けるべき表現には、以下のものがあります。
- handicapped / handicapped person
この表現はかつて一般的でしたが、現在では差別的・時代遅れとされており、使用は避けるべきです。 - crippled
非常に古い表現で、強い差別的なニュアンスがあるため、絶対に使わないようにしましょう。 - the disabled
人を一括りにしてしまうため、現代のガイドラインでは推奨されていません。 - impaired person
特定の障害(例:visually impaired)を指す場合を除き、一般的な「障害者」の意味で使うのは避けた方がよいとされています。 - challenged / the challenged
ポジティブな意図で使われることもありますが、遠回しすぎる、または実際の障害をぼかす表現として批判されることもあるため、注意が必要です。 - differently-abled
ポジティブな響きで使われることもありますが、不自然・過度な婉曲表現と受け取られる場合があり、相手や文脈によっては避けた方が無難です。
現代では、person with a disability や people with disabilities など、人を主体にした表現が推奨されています。
「handicapped person」が差別的とされる理由は、以下の点にあります。
- 時代遅れで否定的なニュアンス
「handicapped」はかつて一般的に使われていましたが、現代では障害のある人を一面的・否定的に捉える言葉とされ、差別的な表現と見なされています。 - 人間性より障害に焦点を当てる
この表現は「障害」という属性を強調し、人としての側面よりも障害そのものに目を向けてしまうため、当事者の尊厳を損なうと考えられています。 - 社会的な排除や偏見を助長する背景
障害者差別(ableism, disablism)は、障害の有無で人を区別し、社会参加や機会均等を妨げる構造的な問題です。「handicapped person」はこうした差別的な社会構造を温存する言葉としても批判されています。 - 現代の推奨表現との違い
現在は「person with a disability」など、人を主体にした表現が推奨されており、「handicapped person」は時代遅れかつ配慮に欠ける表現とされています。
このような理由から、「handicapped person」は英語圏では避けられ、より尊重ある表現が使われています。
自分が使う言葉を変えることで、障害者への偏見を減らす効果は期待できます。言葉は社会の価値観や人々の意識に大きな影響を与えるため、より尊重のある表現を使うことは、障害者の人権や尊厳を守る姿勢を示し、偏見や差別のない社会づくりの一助となります。
実際、国の行動計画でも「心のバリアフリー」の取り組みとして、国民の意識啓発やコミュニケーションの変革が重視されています。また、「障害は社会が作るもの」という視点を持ち、言葉や態度を変えることで、無意識の偏見や障壁を減らすことができると指摘されています。
ただし、言葉だけで偏見が完全になくなるわけではなく、障害者と関わる機会を増やすことや、教育・啓発活動の充実など、社会全体での継続的な取り組みも重要です。
「障害者」という言葉をなくすことが偏見解消に効果的かについては、単に言葉をなくすだけでは本質的な偏見や差別の解消にはつながりにくいという見解が多く示されています。
まず、偏見や差別の背景には、障害のある人とない人が分断された社会構造や、相互理解の不足が根本的な要因として存在します。そのため、言葉を変える・なくすといった表面的な対応だけでは、社会の意識や行動自体が変わるわけではありません。
また、ノーマライゼーションの考え方では、「障害の有無にかかわらず、誰もが同じ水準の社会生活を送れる社会を目指す」ことが重要とされており、差別や偏見をなくすためには、法制度の整備やバリアフリー化、日常的な交流・理解促進など、社会全体での実質的な取り組みが不可欠です。
実際、障害者差別解消法の施行後も「差別や偏見は改善していない」と感じる人が多いという調査結果もあり、言葉だけをなくしても根本的な意識や社会構造の変革には直結しないことが示唆されています。
したがって、「障害者」という言葉をなくすこと自体は偏見解消の決定的な方法とは言えず、むしろ当事者や社会全体が互いを理解し合い、共生のための具体的な行動や制度改革を進めることが重要だと考えられます。