障害者の介護費用に困ったらどうしたらいい? 援助はあるの?

障害者の介護費用にお困りの場合、利用できる援助はいくつかあります。主なものとしては、以下の制度やサービスが挙げられます。

1. 公的な支援制度

  • 介護保険制度(40歳以上の場合):
    • 65歳以上の方、または40歳から64歳までの特定疾病により介護が必要と認定された方が対象です。介護サービス費用の1割~3割が自己負担となりますが、残りは保険から給付されます。
    • 障害者手帳の有無に関わらず、要介護認定を受けることで利用可能です。
  • 障害福祉サービス(障害者総合支援法に基づく):
    • 年齢制限はありません。身体障害、知的障害、精神障害、難病の方などが対象です。
    • 居宅介護(ホームヘルプ)、重度訪問介護、短期入所(ショートステイ)、施設入所支援など、様々なサービスがあり、原則1割の自己負担で利用できます。所得に応じて上限が設定されており、低所得の方には自己負担がない場合もあります。
    • お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口で申請し、障害支援区分の認定を受ける必要があります。
  • 高額介護サービス費・高額障害福祉サービス費:
    • 介護保険サービスまたは障害福祉サービスの自己負担額が一定の上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。所得によって上限額は異なります。
  • 医療費助成制度:
    • 障害の種類や等級によっては、医療費の自己負担分が助成される制度があります(例:重度心身障害者医療費助成制度など)。
    • 自立支援医療制度(精神通院医療、更生医療、育成医療)も、医療費の自己負担を軽減する制度です。

2. 税制上の優遇措置

  • 医療費控除:
    • 本人または扶養家族のために支払った医療費(介護サービス費も含む場合があります)が年間で一定額を超えた場合、所得税の控除を受けることができます。
  • 障害者控除:
    • 本人または扶養親族に障害者がいる場合、所得税や住民税の控除を受けることができます。

3. 民間の支援・地域独自の取り組み

  • 社会福祉協議会の貸付制度:
    • 緊急時など、一時的に生活費や介護費用に困窮している場合、無利子または低利子で資金を借りられる場合があります(生活福祉資金貸付制度など)。
  • 地域独自の助成金やサービス:
    • 市区町村によっては、上記以外にも独自の介護支援サービスや助成金制度を設けている場合があります。

まずはどこに相談すれば良いか

  1. お住まいの市区町村の窓口:
    • 介護保険については、高齢福祉課や介護保険課
    • 障害福祉サービスについては、障害福祉課や保健福祉センター に相談してください。 担当の職員が、利用できる制度や手続きについて詳しく教えてくれます。必要に応じて、ケアマネジャーや相談支援専門員を紹介してくれることもあります。
  2. 地域包括支援センター(高齢者の場合):
    • 65歳以上の高齢者の生活を支えるための総合相談窓口です。介護のことはもちろん、健康や医療、生活に関することなど、幅広く相談できます。
  3. 基幹相談支援センター(障害者の場合):
    • 障害のある方の総合的な相談支援を行う窓口です。地域にある障害福祉サービス事業所の情報提供なども行っています。
  4. 社会福祉協議会:
    • 生活困窮者支援や福祉サービスの相談など、様々な活動を行っています。

相談する際に準備しておくと良いこと

  • 現在、どのような状況で困っているのか(具体的な費用、介護の内容など)
  • 世帯の収入や資産の状況
  • 保有している手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳など)

費用面での不安は大きいと思いますが、様々な支援制度がありますので、一人で抱え込まず、まずは地域の相談窓口に連絡してみてください。専門家が状況に応じた適切なアドバイスをしてくれるはずです。

障害者の介護費用を軽減する方法はいくつかあります。主な制度や仕組みを以下にまとめました。

1. 障害福祉サービスの利用者負担軽減

  • 定率負担と月額上限: 障害福祉サービスは、原則として費用の1割が自己負担となりますが、所得に応じて月額の負担上限額が設定されています。この上限額を超えた分は自己負担がありません。
    • 世帯の範囲: 18歳以上の障害者の場合、障害者本人とその配偶者の所得で判断されます。18歳未満の障害児の場合は、保護者の属する住民基本台帳上の世帯で判断されます。
    • 負担上限額の例:
      • 生活保護受給世帯、市民税非課税世帯:0円
      • 市民税課税世帯(所得割16万円未満など):9,300円(18歳以上の場合)
      • 上記以外:37,200円
  • 個別減免(医療型): 療養介護を利用する場合、医療費と食費の減免制度があります。特に低所得の方の場合、手元に一定額(25,000円など)が残るように負担額が減免されます。
  • 施設での食費・光熱水費等の軽減: 施設入所支援やグループホームなどの施設を利用する場合、食費や光熱水費は原則自己負担ですが、所得に応じて補足給付が支給され、手元に一定額が残るように負担が軽減される場合があります。
  • グループホームの家賃助成: グループホームを利用する生活保護または低所得の世帯に対して、家賃の助成(月額1万円を上限)が行われます。
  • 生活保護移行防止策: これらの負担軽減策を講じても、自己負担や食費等実費の負担によって生活保護の対象となる場合には、生活保護の対象とならない額まで自己負担の負担上限月額や食費等実費負担額が引き下げられる場合があります。

2. 介護保険制度の利用

  • 介護保険サービスの優先原則: 65歳以上の方、または40歳から64歳までの特定疾病により介護が必要と認定された方は、介護保険サービスの利用が優先されます。障害福祉サービスと共通するサービス(訪問介護、短期入所など)については、介護保険の利用が優先されます。
    • 介護保険サービスも原則1割~3割の自己負担ですが、所得に応じた負担上限額が設定されています。
  • 高額介護サービス費: 介護保険サービスの自己負担額が一定の上限額を超えた場合、超過分が払い戻されます。

3. 高額障害福祉サービス等給付費

  • 高額障害福祉サービス等給付費: 同じ世帯に属する方が同一の月に利用した障害福祉サービスなどの利用者負担額(1割負担分)が一定の上限額(市町村民税課税世帯は37,200円、それ以外は0円)を超えた場合に、超えた分が償還されます。
  • 新高額障害福祉サービス等給付費: 65歳になる前の5年間継続して特定の障害福祉サービス(居宅介護、重度訪問介護、生活介護、短期入所)の支給決定を受けていた方が、65歳以降に介護保険に移行して該当する介護保険サービスを利用した場合、その利用者負担額が償還される制度です。これは、介護保険への移行による負担増を軽減するためのものです。

4. 税制上の優遇措置

  • 医療費控除: 本人または生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が年間で一定額を超えた場合、所得税の控除が受けられます。介護サービス費用の一部(医療系サービスや医師の指示に基づくものなど)も対象となる場合があります。
    • 領収書に医療費控除の対象額が記載されていることが重要です。
    • 高額介護サービス費として払い戻しを受けた場合は、その額を差し引いて計算します。
  • 障害者控除: 納税者本人、または同一生計にある配偶者や扶養親族が障害者である場合、所得税や住民税の控除を受けられます。
    • 障害者手帳を持っていなくても、要介護認定を受けている高齢者で、自治体の基準を満たす場合は「障害者控除対象者認定書」の交付を受けることで控除の対象となることがあります(市町村によって基準が異なります)。
    • 控除額は障害の区分(特別障害者、一般障害者など)によって異なります。
  • 社会保険料控除: 公的介護保険料は、社会保険料控除の対象となります。

5. その他

  • 社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度: 一時的に生活費や介護費用に困窮している場合、無利子または低利子で資金を借りられる場合があります。
  • 自治体独自の助成金やサービス: お住まいの市区町村によっては、上記以外にも独自の介護支援サービスや助成金制度がある場合があります。

相談窓口

これらの軽減策を利用するためには、お住まいの市区町村の以下の窓口に相談することが最も確実です。

  • 障害福祉課(障害福祉サービスについて)
  • 介護保険課(介護保険サービスについて)
  • 地域包括支援センター(高齢者の総合相談)
  • 基幹相談支援センター(障害者の総合相談)

ご自身の状況や利用しているサービスによって適用される制度が異なるため、まずは窓口で具体的な相談をされることをお勧めします。

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