障害のあるお子さんを育てる親御さんは、多くの時間と労力を子育てに費やすため、友人や社会とのつながりが希薄になりがちです。しかし、孤立を防ぎ、豊かな人間関係を維持することは、親御さん自身の心の健康にも非常に重要です。
ここでは、友人や世間と疎遠にならないための具体的な方法をいくつかご紹介します。
1. 積極的に情報を開示し、理解を求める
障害について周囲にオープンに話すことで、誤解を避け、理解を得やすくなります。
- 状況を説明する: お子さんの障害の特性や、それによって生じる生活上の困難などを、信頼できる友人や周囲の人に具体的に話してみましょう。率直に話すことで、相手もどのように接したら良いか理解しやすくなります。
- 助けを求める: 一人で抱え込まず、できる範囲で周りの人に助けを求めてみましょう。家族、親戚、友人など、頼れる人を増やすことで、肉体的・精神的負担が和らぎます。
- 相手を選ぶ: 発達障害などについてよく知らない人に話をすると、かえって傷つくこともあるかもしれません。過度な期待はせず、話す相手は慎重に選ぶことも大切です。
2. 同じ境遇の親とつながる
同じような経験を持つ親同士のつながりは、大きな心の支えになります。
- 家族会や患者会への参加: 地域の障害福祉課や病院の相談窓口で、家族会や患者会の情報を入手し、参加してみましょう。情報交換や悩みの共有ができる貴重な場です。
- オンラインコミュニティやSNSグループの活用: 直接会うのが難しい場合でも、オンラインコミュニティやSNSグループなどを活用すれば、時間や場所にとらわれずに他の親と交流できます。
- ペアレントトレーニングへの参加: 各発達障害の特性について理解を深める講習会など、ペアレントトレーニングに参加することで、知識を得られるだけでなく、同じ参加者との交流も生まれます。
3. 子どもを通じて人間関係を広げる
お子さんを通じて新たな人間関係を築くことも可能です。
- 子どもの友達の親とのコミュニケーション: 子どもの友達の親に、お子さんの特性を理解してもらい、トラブルが起きた際の対応などについて協力をお願いすることで、良好な関係を築けます。
- 地域の居場所や活動の活用: 児童館やフリースペース、こども食堂など、地域には様々な居場所があります。こうした場所を利用することで、子どもだけでなく親も地域の人々と交流する機会が増えます。
- 学校や支援団体との連携: 学校の先生やスクールカウンセラー、地域の支援団体などと連携し、支援体制を築くことで、子どもを取り巻く環境を良くするだけでなく、親自身の相談相手も増えます。
4. 自分の時間や趣味も大切にする
子育てに追われる中でも、親御さん自身の時間や趣味を持つことは、リフレッシュになり、心のゆとりを生み出します。
- 気分転換の機会を作る: 短時間でも、自分の好きなことをする時間を作りましょう。読書、散歩、映画鑑賞など、何でも構いません。
- 同好会やサークルへの参加: 興味のある同好会やサークルに参加することで、子育てとは異なるテーマで新たな人間関係を築けます。
5. 専門機関や支援制度を活用する
一人で抱え込まず、必要に応じて専門機関や支援制度を積極的に活用しましょう。
- 相談窓口の利用: 市区町村の相談窓口や発達障害者支援センターなど、専門家がいる場所に相談することで、適切なアドバイスや支援を受けることができます。
- ショートステイやレスパイトケアの利用: 一時的に預かってもらうサービスなどを利用することで、親御さんが休息を取る時間を作れます。
障害のあるお子さんの子育ては、特別な喜びと同時に、特別な大変さも伴います。しかし、孤立せずに積極的に社会と関わり、支えを求めることで、より豊かな生活を送ることができます。
具体的な行動に移すことで、少しずつ状況は変わっていきます。もし、今、孤立を感じているのであれば、まずは小さな一歩から始めてみてはいかがでしょうか。
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障害を持つお子さんを育てる親御さんをサポートするための支援サービスは、多岐にわたります。国や自治体の制度、民間のNPO法人や支援団体など、様々な場所で相談や支援を受けることができます。
ご自身の状況やお子さんの特性に合わせて、以下のようなサービスを検討してみてください。
1. 公的な相談窓口・支援機関
まず最初に相談すべきは、お住まいの地域の公的な窓口です。
- 市区町村の障害福祉担当課(福祉課、子育て支援課など):
- 障害に関する情報提供、各種手当(特別児童扶養手当、障害児福祉手当など)の申請手続き
- 療育手帳や身体障害者手帳の申請に関する相談
- 地域にある支援サービスの紹介(児童発達支援、放課後等デイサービスなど)
- 大阪市の場合は、各区の保健福祉センター子育て支援室が窓口になります。
- 児童相談所:
- 子どもの発達、しつけ、養育、障害などに関する全般的な相談。
- 必要に応じて、専門機関や他のサービスへの連携を行います。
- 全国共通ダイヤル「189」で最寄りの児童相談所につながります。
- 発達障害者支援センター:
- 発達障害に関する専門的な相談、情報提供、支援計画の作成などを行います。
- 親向けのペアレントトレーニングや相談会なども開催している場合があります。
- 大阪府には「大阪府発達障がい者支援センター アクトおおさか」、大阪市には「大阪市発達障がい者支援センター エルムおおさか」などがあります。
- 保健センター:
- 乳幼児健診を通じて、子どもの発達に関する相談を受け付けています。
- 早期発見・早期支援の入り口となる場所です。
- 精神保健福祉センター:
- 心の健康に関する相談を受け付けており、発達障害を含む精神的な問題についても相談できます。
2. 医療機関
- 小児科、発達外来、児童精神科:
- 子どもの発達に関する診断、治療、療育に関するアドバイスを受けられます。
- 医師の診断書は、各種手当やサービスの申請に必要となる場合があります。
3. 障害児向けの福祉サービス
これらは、市町村の障害福祉担当課を通じて利用申請を行うことが多いです。
- 児童発達支援・医療型児童発達支援:
- 未就学の障害のあるお子さんが、日常生活や集団生活に必要なスキルを身につけるための支援を受ける施設です。療育プログラムや専門的な指導が行われます。
- 放課後等デイサービス:
- 小学生から高校生までの障害のあるお子さんが、放課後や学校休業日に利用できる施設です。日常生活能力の向上、集団適応能力の向上、居場所作りなどを目的としています。
- 居宅訪問型児童発達支援:
- 重度の障害や医療的ケアが必要なお子さんなど、施設に通うことが難しい場合に、自宅で専門的な支援を受けられるサービスです。
- 保育所等訪問支援:
- 保育所や幼稚園、小学校などに通っているお子さんが、集団生活に適応できるよう、専門職員が訪問して支援を行うサービスです。
- 短期入所(ショートステイ):
- 親の病気や休息(レスパイトケア)のため、短期間、お子さんを預かってもらえるサービスです。
- 移動支援・行動援護:
- 外出時に付き添いや支援が必要な場合に利用できるサービスです。
4. 経済的支援
- 特別児童扶養手当:
- 20歳未満で、精神または身体に一定の障害のある子どもを育てている保護者などに支給されます。
- 障害児福祉手当:
- 20歳未満で、精神または身体に重度の障害があり、日常生活で常時介護を必要とする子どもに支給されます。
- 自立支援医療(育成医療):
- 18歳未満の発達障害児が対象で、医療費の一部を自治体が負担してくれる制度です。
- 医療費助成制度:
- 重度心身障害者医療費助成制度など、自治体独自の医療費助成制度がある場合があります。
- 所得税・住民税の障害者控除:
- 障害のある子どもを扶養している場合、税金の控除が受けられます。
5. 親の会・ピアサポート
- 地域の親の会:
- 同じ障害を持つ子どもの親同士が集まり、情報交換や悩み相談、交流を行う場です。孤独感を解消し、精神的な支えとなります。
- 各市区町村の障害福祉担当課や、発達障害者支援センターなどで情報を提供していることが多いです。インターネットやSNSで検索してみるのも良いでしょう。
- オンラインコミュニティ・SNSグループ:
- インターネット上には、様々な障害を持つお子さんの親が集まるオンラインコミュニティやSNSグループがあります。時間や場所にとらわれずに情報を得たり、交流したりできます。
6. その他
- ペアレントトレーニング:
- 子どもの障害特性を理解し、適切な対応方法を学ぶためのプログラムです。多くの自治体や支援団体が開催しています。
- 就労支援:
- お子さんが大人になった際の就労に関して不安がある場合、就労移行支援事業所など、成人期の支援機関に相談することもできます。
支援サービスを見つけるためのヒント
- お住まいの市区町村の窓口に相談する: まずは地域の障害福祉担当課が、その地域で利用できるサービスや相談窓口に関する最も基本的な情報を持っています。
- インターネットを活用する: 「(お住まいの地域名) 障害児 支援サービス」「(お子さんの障害名) 親の会 (地域名)」などで検索すると、多くの情報が見つかります。
- WAM NET(ワムネット)を利用する: 独立行政法人福祉医療機構が運営する「WAM NET」では、全国の障害福祉サービス事業所の情報を検索できます。
- 病院の医療ソーシャルワーカーに相談する: 病院には、福祉サービスの利用相談に乗ってくれる医療ソーシャルワーカーが常駐している場合があります。
障害を持つお子さんを育てる中で、一人で抱え込まず、利用できるサービスや支援を積極的に活用することが大切です。まずは、身近な相談窓口から一歩踏み出してみてください。