自分の住んでる都道府県外で治療すると障害者でも通院・薬剤費が高くなる?

障害者の方への医療費助成制度は、各都道府県や市町村が独自に実施しているため、お住まいの都道府県外で治療を受ける場合、その助成が適用されないことがあります

具体的には、以下のようになる可能性が高いです。

  • 窓口での支払いが高くなる: お住まいの自治体から交付されている「障害者医療証」は、原則として発行元の都道府県内の医療機関でのみ利用できます。そのため、都道府県外の医療機関では医療証が使えず、一旦、健康保険の自己負担分(通常3割)を窓口で支払うことになります。
  • 後日、償還払い(払い戻し)の申請が必要: 都道府県外で受診した場合でも、多くの自治体では後日、領収書などを提出することで、自己負担した医療費の一部または全額が払い戻される「償還払い」の制度を設けています。しかし、この手続きには申請が必要で、手間がかかります。

「自立支援医療(精神通院医療)」について

精神科の疾患で「自立支援医療(精神通院医療)」を利用している場合も、原則として受給者証に記載された医療機関でのみ適用されます。都道府県外の医療機関で自立支援医療を利用したい場合は、事前に医療機関の変更申請などが必要となることがあります。

確認すべきこと

  • お住まいの自治体の制度: まず、お住まいの市町村の障害者医療費助成制度について、都道府県外での利用に関するルールを確認してください。自治体のウェブサイトや担当窓口で確認できます。
  • 受診予定の医療機関の指定状況: 自立支援医療を利用する場合、受診予定の医療機関が、あなたの受給者証の発行元である都道府県・政令指定都市の指定を受けているか確認が必要です。

自分の住んでいる都道府県外で治療を受ける場合、一時的に医療費の自己負担が高くなる可能性はありますが、多くの場合は後日、償還払いの申請をすることで助成を受けることができます。ただし、手続きが必要となるため、事前に確認しておくことが重要です

県外の医療機関で治療を受ける際に費用が高くなるかどうかは、主にお住まいの自治体の医療費助成制度受診する医療機関によって異なります。

基本的な考え方

  • 健康保険の自己負担分は変わらない: 日本の健康保険制度では、どこで受診しても保険診療分の自己負担割合(3割など)は変わりません。
  • 自治体の医療費助成が適用されない可能性がある: 障害者医療費助成制度は、各自治体が独自に実施しているため、原則としてお住まいの都道府県内の医療機関でのみ「医療証」を提示して窓口負担を軽減できます。都道府県外の医療機関では医療証が使えないため、一旦、健康保険の自己負担分を全額支払うことになります。

具体的に費用が高くなるケース

  1. 窓口での一時的な支払い:
    • お住まいの自治体の医療費助成制度が都道府県外の医療機関で直接適用されない場合、窓口で健康保険の自己負担分(例:医療費総額の3割)を支払う必要があります。
    • 例えば、1か月の医療費総額が10万円だった場合、窓口で3万円を支払うことになります。
    • 通常、お住まいの都道府県内の医療機関であれば、医療証を提示することで自己負担が一部(例:1医療機関あたり月500円など)に抑えられます。この差額が一時的に高くなる費用と言えます。
  2. 償還払い(払い戻し)の手間と時間:
    • 多くの自治体では、県外受診の場合でも、後日申請することで自己負担した医療費の一部または全額が払い戻される「償還払い」の制度があります。
    • しかし、この手続きには領収書などの書類を揃え、申請書を提出する手間がかかります。
    • また、払い戻しまでに数ヶ月かかる場合もあるため、一時的に家計の負担となる可能性があります。
  3. 自立支援医療の場合:
    • 精神科の疾患などで「自立支援医療(精神通院医療)」を利用している場合、受給者証に記載された医療機関以外では原則として適用されません。
    • 県外の医療機関で自立支援医療を利用したい場合は、事前に医療機関の変更申請などが必要になります。この手続きを怠ると、自立支援医療の適用外となり、自己負担割合(通常1割)ではなく、健康保険の自己負担割合(3割など)で支払うことになります。

例で比較

  • 県内の医療機関で受診した場合(医療費助成適用):
    • 医療費総額:10,000円
    • 窓口負担(例:500円)
    • 実質的な自己負担:500円
  • 県外の医療機関で受診した場合(一時的に全額自己負担、後日償還払い申請):
    • 医療費総額:10,000円
    • 窓口負担(健康保険の自己負担分3割):3,000円
    • 後日、償還払い申請により2,500円が払い戻された場合、実質的な自己負担:500円
    • ただし、一時的に3,000円を支払う必要がある。

このように、最終的な自己負担額が変わらない場合でも、窓口での支払い額が一時的に高くなることや、償還払いの手続きが必要になる点が「高くなる」と感じられる要因になります。

県外での受診を検討する際は、必ず事前にご自身の自治体の福祉担当窓口に問い合わせて、具体的な助成内容や手続きについて確認することをおすすめします

お住まいの都道府県外の医療機関で治療を受ける場合、障害者の方の医療費負担を軽減するための主な策は以下の通りです。

1. 償還払い(払い戻し)制度の利用

これが最も一般的で重要な制度です。

  • 概要: お住まいの市町村が実施している障害者医療費助成制度の多くは、県外の医療機関で医療証が利用できない場合でも、患者が一旦自己負担分を支払い、後日、領収書などを添えて申請することで、助成対象となる医療費が払い戻される「償還払い(しょうかんばらい)」の制度を設けています。
  • 手続きの流れ:
    • 県外の医療機関で受診: 医療証は提示せず、健康保険の自己負担分(通常3割)を窓口で支払います。
    • 領収書を保管: 診療点数、受診者氏名、診療年月日、領収金額などが明記された領収書(原本)を必ず受け取り、大切に保管します。
    • お住まいの市町村に申請: 領収書と必要書類(本人確認書類、振込先口座情報、健康保険証など)を添えて、お住まいの市町村の福祉担当窓口に償還払いの申請を行います。郵送やオンライン申請に対応している自治体もあります。
    • 払い戻し: 申請が受理され審査が通ると、指定した口座に医療費が払い戻されます。
  • 注意点:
    • 払い戻しまでには、申請から数週間〜数ヶ月かかる場合があります。
    • 保険適用外の治療費(自費診療、差額ベッド代、文書料など)は助成対象外です。
    • 高額療養費制度や付加給付の対象となる場合は、それらが適用された後の自己負担額が助成の対象となります。
    • 自治体によって申請期限(受診日から1年以内、5年以内など)が定められている場合がありますので、確認が必要です。

2. 自立支援医療(精神通院医療)の医療機関変更手続き

精神科の治療を受けており、自立支援医療を利用している場合は、以下の手続きが必要です。

  • 医療機関の変更申請: 自立支援医療は、受給者証に記載された指定医療機関(病院・診療所・薬局など)でのみ利用できます。そのため、県外の医療機関を受診する場合は、事前にお住まいの市町村の障害福祉担当窓口「医療機関変更申請」を行う必要があります。
  • 手続きの流れ:
    • 変更申請書の入手: お住まいの市町村の窓口またはウェブサイトから、自立支援医療の医療機関変更申請書を入手します。
    • 必要事項の記入: 新しい医療機関の名称、所在地、電話番号などを記入します。
    • 提出: 変更申請書と現在お持ちの自立支援医療受給者証、健康保険証などを添えて提出します。
    • 新しい受給者証の交付: 審査後、新しい医療機関が記載された受給者証が交付されます。
  • 注意点:
    • 変更申請を行う前に、受診したい県外の医療機関が自立支援医療の指定を受けているかを必ず確認してください。指定を受けていない医療機関では利用できません
    • 原則として、都道府県が指定する医療機関であれば、お住まいの都道府県以外でも利用可能です。
    • 申請手続きが完了するまでは、自立支援医療の適用を受けられないため、通常の健康保険の自己負担割合(3割など)で支払うことになります。後日、償還払いの対象となる場合もありますが、事前に確認が必須です。

3. 高額療養費制度

障害者手帳の有無にかかわらず、全ての健康保険加入者が利用できる制度です。

  • 概要: 医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、ひと月(1日から末日まで)で自己負担限度額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。
  • 都道府県外でも適用: 高額療養費制度は、お住まいの都道府県内外に関わらず、日本全国どこの医療機関で受診しても適用されます。
  • 申請方法: ご加入の健康保険組合や協会けんぽ、市町村の国民健康保険などに申請します。自動的に払い戻される場合もありますが、多くは申請が必要です。
  • 注意点:
    • 入院時の食事代や差額ベッド代、自費診療などは高額療養費の対象外です。
    • 障害者医療費助成制度と併用する場合、高額療養費で支給された分は、障害者医療費助成の対象外となることがあります(助成額から差し引かれる)。

4. 特定疾患医療費助成制度(指定難病医療費助成制度)

指定難病の医療費助成を受けている場合も、都道府県外での治療に関するルールがあります。

  • 基本的な考え方: 指定難病医療費助成は、難病指定医が作成した診断書に基づき、都道府県または指定都市が認定します。助成対象となる医療機関は、原則として都道府県または指定都市が指定した医療機関に限られます
  • 県外での利用: 県外の指定医療機関で受診する場合は、お住まいの都道府県の難病担当部署に、受診する医療機関を追加登録する手続きが必要になる場合があります。こちらも事前に確認が必要です。

相談窓口

  • お住まいの市町村の福祉担当窓口(障害福祉課など): 最も重要な相談先です。ご自身の自治体の障害者医療費助成制度について、具体的なルールや手続き、必要書類などを詳しく確認できます。
  • ご加入の健康保険組合・協会けんぽ・国民健康保険担当部署: 高額療養費制度や付加給付について確認できます。

県外での治療を検討する際は、これらの制度を事前に確認し、必要な手続きを行うことで、医療費負担を軽減することができます。

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